玄関のチェーンを掛けられて

8月の猛暑の日のことです。
夫は在宅で朝の9時から１２時までリモート会議でした。
会議の邪魔をしてはいけないと思い、終了するまでの３時間ほど
ショッピングセンターで時間を潰そうと出掛けました。
その日の夕食の食材で、魚の刺身、豆腐、お漬物などを買い
１２時過ぎに帰宅しました。

ところが、玄関の鍵とチェーンの鍵が掛けられており中に入ることが
出来ません。
まだ会議が長引いているのだなと思い、マンション下のエントランスで
待つことにしました。
３０分ほど経過したので戻ると、まだ会議中のようでチャイムも押せません。
仕方なくまたエントランスに戻りました。

１時過ぎに、さすがに終わっただろうし終了していなくても、
お昼休憩に入るはずです。
ところが家の中は静かで話し声も聞こえません。
さすがに困るので、携帯に電話をしましたがバイブにしているようで
気付きません。
普通の鍵はスペアキーで開きますが、チェーンが困ります。
手を入れてみたり、ボールペンで外そうと試みましたが無駄でした。
外からでは絶対に外れないようでした。

すぐに帰る予定だったので、生ものの食材が痛みます。
チャイムも何十回と押しましたが、応答はなく携帯も出てくれないので
一度ショッピングセンターに戻りました。
氷を貰って、食材を挟み取り敢えず痛みは防げそうでしたが
時計を見ると午後５時です。
まさか、家の中で倒れているのではと怖くなり急いで帰宅しました。

チャイムを押すと、寝ぼけ眼で主人が出て来ました。
「遅かったね〜」と言うので、
「チェーンなんか掛けたら入れないでしょう！」と怒りました。
ついいつもの癖で、チェーンをかけて会議の後に昼寝をしてしまったようです。

それからは、晩の寝るとき以外はチェーンを掛けないでと約束しました。