全裸で恥ずかしい格好の仲間を救うため

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“私の通っていた学校はスポーツが盛んで、部員は卒業するまで寮生活を送らなくてはなりません。学校には部に所属していない生徒もおり、それらは恋愛を自由に楽しんでいるのですが、私が所属していた部は恋愛禁止、寮への私物持ち込みは厳しく制限されていました。
共学校ではあったのですが、寮は男女別々、男子が女子寮に行ったことがバレると退部では済まされず、女子が男子寮に行けば男子に何をされても文句は言えません。
当時は思春期真っ只中、どんなに部活で疲れていても夜には性欲が高まる、私物の持ち込みが出来るのであれば性欲を満たすオカズを寮に持ち込むのでしょうが、オカズを持ち込んだことがバレれば連帯責任を負わされ、先輩からとんでもない仕打ちを受けることになります。
寮生の唯一の楽しみは売店でオヤツを買うこと、買うにはお金が必要なのですが、中には裕福でない家庭の子もおり、度々、寮の中でモノが盗まれることが。仲間を疑いたくはないため、ある時からロッカーに鍵をかうことになると、モノが盗まれることはなくなりました。
オヤツを食べても、夜になると性欲が高まるのはいつものこと、当時既に携帯電話はあったのですが、寮生は持つことが許されなかったため、授業中に友達から携帯電話を借りてゲームを楽しんでいると、その友達が「良いものを見せてやるよ」。
友達に見せられたのは携帯電話に保存してあるアダルト画像、夜のオカズに飢えていた部員は脳に記憶させ、そしてトイレへ駆け込みました。
寮生はアダルト画像で満足しているのに、学校の中にエッチ経験者がいることを知ると、その経験者がどんな奴なのか見に行くと、彼女がいてもオカシクないイケメンでした。
女に飢えている寮生は、「早く童貞を卒業したいよ」、「俺も」、「ヤリタイな」、「俺も」、寮生は数人集まると悪ノリをしてしまうもの、A君がイケメンの真似をすると、B君がA君とエッチをした女の子の真似。
誰かが、「アイツら(イケメンとその彼女)、どんなエッチをしたのかな?」と言うと、悪ノリをしたA君がB君の洋服を全裸にすると、脱がされたB君は女の子の真似をしながら「脱がさないで」、それを見ていた周囲の者は盛り上がり、エスカレートしたA君はB君の手を鎖で縛ると、ロッカーに掛けてあった鍵で鎖を外れないようにしてしまいました。
それを見て更に盛り上がったのですが、暫くするとB君が、そしてA君の表情が曇り、「おい、この鍵、違う鍵だ、この鍵では外れない」、それを聞いて周囲の者は大爆笑したのですが、本当に鍵が外れなければ監督に怒られ、部全員による連帯責任を負わされる。
当時2年生だった私達にとって、監督や先輩は怖くて堪らない存在、何とかして開く鍵を探そうとしたのですが見付からない。2年生と1年生の全員でお小遣いを出し合い、その中で一番足が速い部員が町に1件だけある鍵屋さんに行くことになりました。
鍵屋さんが何処にあるかはランニングの時に見て知っている、しかし、お店が開いている保証はない、そもそも監視の厳しい寮から抜け出すのも大変。2年生と1年生の全員の願いが通じたのか、寮を抜け出した部員は鍵屋さんを連れて帰ってきたのですが、監視の厳しい寮に部外者である鍵屋さんを入れるのは一苦労。
事情を話すと鍵屋さんは、「心配するな、この寮のことは全て知っている。年は取っているけど、俺、君たちの先輩なんだ」。
鍵屋をしている先輩は寮の管理人にバレないように侵入に成功、そして、鎖で繋がった全裸の部員を見て、「何をやっているんだ、お前達」、先輩のお陰で監督にバレることはなく連帯責任も免れました。
鍵を開けてもらったため先輩に料金を支払おうとすると、「後輩からは受け取れないよ」、それを聞いた後輩達は「ありがとうございます」、社会には良い先輩がいると思うと辛い練習も耐えることが出来ました。”